マルチリンガルになった経緯や学習法を、4カ国を話す友人に聞いてみた

世の中には、たくさんの言語を同時に操る人たちがいます。

マルチリンガル、多言語話者、ポリグロット(polyglot)などと呼ばれる人たちです。

英語一つマスターするのでも大変なのに、一体どうやってそんなに外国語を習得できるのでしょうか?

僕の友人に、Hさんという、

日本人とモロッコ人のハーフの人がいます。

彼は日本語、英語、フランス語、アラビア語と、計4カ国語をペラペラに話すことができます。

一体、どうやってそんなに言葉をマスターしたの?

頭の中は混乱しないの?

ファミレスで、カジュアルにインタビューをしてみました。

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βクラスに入れられた!

—言葉は子供のときからできたんですか?

Hさん いや全然。3歳から4歳くらいまでお母さんと一緒にフランス語と日本語で生活してたけど、韓国人の人が近所に住んでいて、たぶんこれも文化なんだろうね、韓国人の人が家の母親に、日本に住んでるんだから日本語で生活させないとだめって笑

—はは笑 言われたんですか笑

Hさん でもちょっと違うじゃん笑 韓国人は多分日本人になりすまして生活しなければ色々あるじゃん。でもそれで俺も兄貴も、 H君たちなんか日本語じゃない言葉喋ってたって言われるのも恥ずかしかったりとか。そういうこともあって日本語しか喋らなくなったね。

元はフランス語で喋ってたんですね。2〜3歳のときは。

Hさん うん。それで使わなくなって。ずっと日本語。外国語なんか使わない生活。その後高校入って、よく覚えてんのは、英語のクラス分けみたいなやつされて、英語全然できなかったから、αクラスとβクラスみたいなのがあって、バカクラスのβに行かされたの笑 でも全然英語の勉強しようなんて思ってないから。いいやと思ってたんだけど、Hさんその顔で英語できないんですかって言われて。

ああ、なるほど笑

Hさん 知らねーよって。人は見た目じゃなくて中身です、みたいな笑

やばい、なんかほんやくコンニャク食べたみたいになった!

それじゃあ、どのタイミングで英語ができるようになったんですか?

Hさん 丁度その頃、たまたまいとこがカナダに住んでて。毎日暇じゃん?高校生の時って。毎日1時間とか2時間、そのいとことSkype で話してて、それで1ヶ月ぐらいで本当に、一気に喋れるようになった。

えっ?

Hさん やばい、なんかほんやくコンニャク食ったみたいになった!って。

その人は何人なんですか?

Hさん カナダ人。モロッコ系だけど。お母さんの妹の娘。

それって高校何年くらいのときですか?

Hさん 高校1年か2年かな?

それで12ヶ月喋ってたらほんやくコンニャクみたいになった?

Hさん 俺もビビった。うわ、なんか全部翻訳されたーみたいな。 でも考えてみてよ。2ヶ月ぐらい海外に留学したらどうなる?

ああ、確かにほんやくコンニャクみたいになるかも?

Hさん でしょ。それを毎日家でやってたってこと。本当に最初はHello, How are you? みたいな感じだったのに、今日の天気はどうとか、今何時とか、今日は暑かったー?とか。

よく付き合ってくれたね笑

Hさん もう全然。向こうも超暇だから笑 で、あ、その時いとこカナダに住んでなかったのかな。ドバイに住んでてあんま外出れないみたいな。熱いし、車持ってないから出掛けらんない、毎日くそ暇みたいな。歳は一個下だったかな。二人ともくそ暇で、毎日そんなんやってたらもう一気に。

その人、日本語とか喋れない?

Hさん こんにちは、おやすみなさいとかそんな感じ。

いとこなのに意思疎通するすべがない笑

Hさん Mくん、それは当たり前だよ。そのとき言ってみたら、おじいちゃんとおばあちゃんともお話しできないみたいな感じだよ。おじいちゃんとおばあちゃんと話す時って、全部母親の通訳を介さないと、お腹が減ったとかも伝えられない。おばあちゃんと話できなくてやだなーと思ってたけど、でも言葉できないししょうがないか、みたいな。諦め?っていうのはずっと持ってたんだけど。

とにかく高校生の時にそういうのをやって、めちゃめちゃ喋れるようになった?

Hさん 高校でも英語得意になって、卒業するまでには学年トップレベルなってた。バカのβクラスから。

いわゆる文法とか単語とかやってたんですか?

Hさん 何か入ってき方が違うじゃん。毎日使うし。授業でやった文法とかも、使ってみたいじゃん。「ねえ今日さ学校からこういう風に言われたんだけど、この表現するー?」とか。「最近若い人そういう風に言わない」とか。「じゃあ何て言うの?」みたいな。「マジイケてる!」って言うよみたいな笑 そういう感じ? 習ったらすぐ使える環境だったっていうのはあるかもしれない。で、直してくれるし。今のそういう言い方じゃなくてこういう風に言うんだよ、とか。定着するよね。

相手と壁を感じない程度の会話が、2ヶ国語以上でお話しできること

それで、複数の言語を話せるようになったのは、何かきっかけがあるの?

Hさん うーん。留学もしてないし、英語喋るような生活してないけど、でも確かに、高校で英語を喋れるようになった。そこからかな。やっぱり1ヶ国語を喋れるようになることが、壁かもしれない。まずは1ヶ国語を喋れるようになる。自分の言葉が相手に伝わっているって、自信を持って言えることが一番のハードルだと思う。

例えば英語だったら英語を話せますよって言えるような?

Hさん 少なくとも相手と壁を感じない程度の会話が、2ヶ国語以上お話できること。母国語+他の国の言葉を話せるようになるのがハードルだと思う。そこからもう一カ国語っていうのは、そこまで言語は大きく違うものでもないかなって。特に日本語から英語は、結構言語形態が違うけど、英語とフランス語とかって、単語もラテン語から来てたりとかって共通している部分がすごく多いし、文法とかも結構似ているところが多いから。そういう関連性を考えると多言語は学びやすいっていう部分はある。

—アラビア語に関してはどうですか?

Hさん 高校卒業して、一か月ぐらいモロッコに遊びに行ったんだよね。それで、行ってみたら、 毎日アラビア語を使うようになって。

—それまでは全然アラビア語を出来なかったんですか。知識ゼロ?

Hさん うん。ほぼゼロ。ありがとうとかバカとか。そういうのはすぐ覚えちゃう笑 それくらいしか言えなかったけど向こう行って生活して、おばあちゃんとか親戚と会うじゃん。いとことかに英語でこれなんていうのとか教えてもらって。英語でアラビア語説明してもらったりとか。そういう生活をして、本当に一ヶ月で日常会話は問題ないかなってくらいには、アラビア語が喋れるようになった。

—その一ヶ月で身につけたのが大きかったですか?

Hさん 大きい大きい。その後大学卒業してから、一人でまたモロッコに行って、自分で商売できるようなレベルに使えてるわけだから。そこで言葉の壁があったら向こうで働こうなんて思わないじゃん。

—へぇー!

Hさん 日本は帰ってきてからは、お父さんとか兄貴に聞かれたくない話とかは、お母さんと全部アラビア語になったよね笑

—兄貴はアラビア語できない?日本語だけ?

Hさん 兄貴は日本語しかできない。

—フランス語は?

Hさん 大学で授業は取ったのと、まあそうだね、親と普通に、フランス語でしゃべれば使えるから。

簡単な言葉しか出てこなくなっちゃった

—マルチリンガルになって、なんか変わったことはあった?

Hさん 大学の夏休みにフランスとモロッコ1か月ずつ旅行に行って。友達を5人くらい連れて行ったんだけど、その時は1日に4ヶ国語喋ってた。向こうの人も5人くらいいて、常に10人くらい人がいて、自分だけ通訳みたいな笑 そんな生活してたら、急にすごく日本語下手になったんだよね。簡単な言葉しか出てこなくなっちゃって。これはやばくない?みたいな笑

—それはこわいね笑

Hさん でも一方で、俺結構同時通訳とかの仕事できるなと思った。なんかさ、同時通訳の人ってそういうシンプルな言葉の使い方しない? 「私たちは、この条約で、平和に、なる、ことを、考えております、ただ、その、反面ーー」

—笑笑

Hさん みたいな。シンプルな言い回しで、端折ってうまく伝えるのに長けてる。その練習を実践でやってたかもしれない。あの頃は毎日すごく楽しかった笑

なんか日常化させたいよね。もっと

—親戚に外国人とかがいない日本人は、どうやったら外国語ができると思う?

Hさん んー。なんか日常化させたいよね。もっと。 俺、前にベルギー行った時に、 電車乗ろうとして迷ってたら、「どこ行きたいの?」って言われて、「ブリュッセル行きたい」って話したら、「何語がいい?」って言われて。「あっ、この国は、何語でも対応してくれるんだ」みたいな。 それはちょっとカルチャーショックだったかもしれない。

—ああー。

Hさん オランダもそうだしフランスもそうだし自分たちの言葉もそうだし、英語もそうだし、大体何語でもできるから。さすがに日本語は出来なかったけど笑 だからなんかそういう環境にあるって言うのが大きいんじゃない。日本は喋らない環境だから。でもそれが悪いとも全然思わないんだけど。

—逆に言えば、環境が大事ってことね。

Hさん うん。それと後は、楽しむこと笑 楽しくなかったら続かないでしょ。会話する内容は、何でもいいんだと思う。自分が楽しいと思うことを喋った方がいい。まず話して、壁だけなくなればいいじゃん。

—なるほど。

Hさん なんか外国語って俺も喋る前は、すごい全く違うものだと思ってたんだけど、でも今はただのツールだと思う。日本語と変わる事っていうのは確かにあるけれども、ちょっと表現の仕方が違うだけで、言語っていう点では何も変わらないから、まずは自分が楽しめる範囲でやってみるっていうのがいいかなって。そうやって、自分が失敗できる環境っていうのを作るのが一番じゃない。失敗しないと学べないでしょ。友達同士とかだったら言葉で失敗しても別にいいじゃん。

モデル決めはすごく大事だと思う

—外国語学習の上で、他に重要なこととかってある?

Hさん 大学に行ってた時に先生にいわれたのは、ちゃんと自分のモデルを決めて、その人の英語を一回真似して、英語を喋りなさい、ってこと。これ決めないと本当に、よくないかもしれない。モデル決めはすごく大事だと思う。例えばアラビア語は、ずっとお母さんと話してたから、すごい女みたいなアラビア語で、結構向こう行って笑われた笑 モロッコでは男のいとこと一緒に生活してたから、それで直せてよかったなって。じゃないとアラビア語はおかまのままだった笑 ずっとオネエ言葉みたいな。

—合わせるなら近い年代?

Hさん 近い年代とか、職業、性別。その辺りはちゃんと合わせた方がいいと思う。(日本語ノンネイティブの)うちのお母さんとか逆に、近所のお母さんたちと喋ってる時にいきなり「すげえじゃん」とか言っちゃうし笑 そういうのはやっぱよくないよね。

言葉がわかると、自分のアイデンティティを見つけられる

—色々な言葉が話せるようになって、よかったことは?

Hさん やっぱ人とコミュニケーション取れるってのが一番でかいかも。だって俺、おばあちゃんと話せなかったんだよ? それは俺の中で一番、嬉しいかな。小学生の時とか、おばあちゃんと喋れなくてやだなー、って言うのがあった。なんか言ってるけど、嬉しそうだけどわからんとか、そう言うレベルじゃん。それがはっきりと宗教の話までしたりとか、自分の人間観を話したりとか、そのレベルまで議論ができるようになったって言うのは、なんか達成感がすごくある笑 これはちょっと本当に、おばあちゃんの人生観とか、なかなか話せないじゃん。なんかこう、お母さんに通訳してもらって、おばあちゃんの人生観とかあんま聞きたくないじゃん?笑 でもなんか俺的にはおじいちゃんとかおばあちゃんの人生観とか色々考え方とか聞きたいわけ。全然文化も違うし、コミュニケーションとって、お互いの溝を埋めたかった。それが収穫としては一番でかいね。

—なるほどね。

Hさん やっぱり直接話せてこそ、その国の人の考え方とかも知れるじゃん。言葉がわかると、そこで、自分のアイデンティティを見つけられるんだよね。気づいてなかったけど、俺ってこういう人生観だったんだ、とか、日本人の人生観ってこうなのかとか、幸福感の違いとかもそうだし。

—逆にデメリットはある?

Hさん あんまりないけど、メリットがデメリットになっちゃったりもするね。普通の日本人の考え方とはまた違う所に行き着くから。ちょっとはっきり言い過ぎちゃったりとか、そういう性格の部分の差は出てきちゃうけど、まあ両方見れてるから、うまく使い分けできれば問題はないと思う。そういうので彼女と別れたりもしてるから、気をつけなきゃなってのは思う笑 言い過ぎちゃいけないな、とかね。

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